なるほど the ドバイ (U.A.E)

We must say “Thanks to internet”!

新潟だろうと、南米であろうと、アラブ首長国連邦/United Arab Emirate (略称:UAE)で生活を送っていようとも、世界に点在している友人たちとネット上でつながることができます。
いまさらそんなことは当たり前かもしれませんが、よくよく考えるてみると私たちはすごい時代に生きちゃっているんだな〜と思わされます(ませんか?)。

大量の semi-dry dates(ナツメヤシ)をおみやげにいただきました。
甘い干し柿のような味です。

ベビー、キッズフードなど子連れでも来れるカフェダイニング、Jadeさんにて
彩り鮮やかなお食事にみんな大喜び♪としえ先生の愛娘まりちゃんも終始ご機嫌でした。
居心地がとても良かったのでついつい長居してしまいました。
新潟市東堀通り6−1041 東隆BLD2F tel. 025-229-8559

アラブ首長国連邦での日々は驚きの連続のようで、「本にしたら?」と真剣に尋ねてしまうような想像を超えた日常生活を送っているようでした。

国立の女子大学の教員として働きだして1年半。
今回は10名の学生を連れて日本の名所を観光したり、新潟では地元高校生のお宅にホームステイをしながら日本を肌で感じるプログラムの引率者として来日しています。

入国した大阪空港では、全身黒の衣装を身にまとった女学生たちの群れ(彼女はNinja Girlsと呼ぶ)を見て空港警察が慌てて駆け寄ってきたそうです。約1時間、身元確認や滞在目的をはっきりさせるために拘束・・・うーん。

日本では足早に歩く大量の人たちに驚いていたそうな。
アラブでは彼女曰く、「人間は恐ろしくゆっくりと歩いている」。
それもそのはず、現在は冬季なので、気温は25度前後と過ごしやすいそうですが、夏季には気温が45度〜50度近くまで上昇するのだそうです。

「働いているのは外国人だけなんだよ」

私が知らなかっただけなのかもしれませんが、アラブ首長国連邦の国民と外国人の人口比率にも驚きです。
アラブ首長国連邦の国民は全体の約20%を占めるに留まり、大多数を占める80%は彼女のような外国人居住者なのだそうです。インドから来る人が多いようだと言っていました。
もし日本の人口がそんな比率だったら・・・?想像してみます。

豊富な石油資源を持つ、信じられないようなお金持ちがひしめく国として知られていますが、海外から出稼ぎにやってくる人たちが国の末端を支えているんですね。特に建築現場での重労働を担う外国人労働者が多いそうですが、そのほとんどの人たちの賃金はものすごく低いんですって(正確な金額については聞き忘れました)。
幸い友人は政府がスポンサーの大学で働いていますので、賃金もかなり優遇され、大きなマンションの一室を無償で与えられ物質面では何不自由なく暮らしているようです。

ただし、現地の人たちと友人関係を築くことはそう簡単ではないようです。
圧倒的にその数が少ないということもありますが、外国人を家に招いたり、「アメリカでは・・・?」という話になることは日々学生と接していてもなかなかないんだよね〜と彼女。

イスラム教、ラマダン、コーラン、一夫多妻制・・・頭では分かっているようなつもりでも、現実にその場所にいたらお互いに容易に入っていけない、こさせないものがあって当然だと思います。彼らも外国人である彼女にそれらを強要しないから、一つの国の中で共に暮らしていけるような気がします。

日本に学生らとやってきて彼女が驚いたことを少し興奮気味に教えてくれました。

今までの彼らの距離は、「一年半も教室で教師と生徒という立場で日々向き合っているのに、名前以外のことを聞かれたことが無い」ほどの果てしなくお互いに遠い存在。

「え?どうして?」と聞く私に、「“なんだろう?”という本来人間には基本的に備わっているであろう感覚が存在していない(もしくは鈍っている)のでは?」と即答されました。彼女個人の印象ではありますが。

そんな学生たちでしたが、日本に到着をして数日目のこと。
突然、「先生、あなたはどの国の出身なんですか?趣味は何ですか?」と彼女らに初めてプライベートかつ積極的な質問を受けたそうです。まさしく文明開化!?
若い彼ら(18歳〜19歳)が今まで本当に「興味が無かったのか、別な理由があるのか」。考えてみても分かりませんが、後日学生たちがどんな思いを日本での滞在で抱いたか聞いてみたいと思います。

他にもいろんな話が飛び出しました。
ほとんどがびっくりするような話題でしたが、行ったことも住んだこともないその国が持つ、例えば慣習、歴史、価値観、宗教を「良し悪し」で判断できるような基準は持ち合わせているわけもなく、ただただ「世界は広いんだなあ。これだけ違えばお互いに「違い」を認めることが精いっぱいで、共通項を無理やりこしらえたり見つけだしたり、一部の国の基準をその国に適応させようとすることは限りなく理不尽だよなあ」
頭の中のマイコンピューターでは容量オーバー・・・。

インターネットで何でも調べる世の中になっても、まだまだわからないことはたくさん残っていますね。
でもきっとそれでいいんです。そしてこれからも「分からないこと」は狭くて深い世界に存在し続ける。

「中東に関心を抱くきっかけ」をくれた彼女に感謝します。


新潟日報朝刊より
2008年12月11日