イクラ さよなら またね

ちいさな命の灯火が消えました。
14年もの間、我が家のアイドルだったイクラ

猫嫌いの母のお店に「はい、お中元!」とお客様から渡された小さなダンボール箱の中に猫カンと共にちょこんと入っていたのが彼女でした。それまで「犬派」だった我が家の人間たちをあっさり「猫大好き派」に変えてしまいました。

晩年はよろよろとした足取りながらも、食事の時間には他の猫たちよりも早くやって来て、平らげてはお代わりをおねだり。「ちゃんと食べてまだまだ生きるよ!」その力には皆が目を見張るほどでした。

寂しがりやの彼女は、大好きな母に撫でられながら、小さくニャーと何度か鳴いて、二回大きく息を吸った後、旅立ちました。

生きて、ただそこに居てくれた日々がどんなに素晴らしいものだったのか。

しばらく思い出すだけで鼻の奥がツンと痛くなりそうですが、彼女が遺していってくれたギフトはこれからもずっと私の身体の中に生きつづけます。